コラム

喪失感とはどのような感情?喪失感を乗り越える対処法を紹介

メンタルヘルス

喪失感は、大切なものを失った時などに生じる感情をさします。無気力状態や喜怒哀楽を感じにくくなるなど、行動の変化が起きることが特徴。

喪失感を放置しておくと、うつ病などの精神疾患につながるおそれがあるため、適切に対処することが大切。今回は、喪失感の乗り越え方や対処法を解説します。自分に合った対処法で乗り越えたいと思っている方は、参考にしてみてください。

喪失感とはどのような感情?

喪失感とは、大切なものを失った時などに生じる感情。悲しみだけではなく苛立ち、不安、絶望など複雑な感情が一度に強く感じられる状態をさします。

たとえば大切な人と別れたり、ペットを失ったりといった悲しい出来事を体験すると、強烈な喪失感に襲われることがあります。

喪失感と虚無感の違い

喪失感と虚無感の違いは、初めに大切に思うものがあったかどうかです。喪失感は大切なものを失うことで、自分の一部が無くなったような感覚に。

しかし虚無感は、すべてのことが無意味で興味が向かない、感情が動かない状態です。虚無感については以下の記事でも解説しているため、知りたい方はご覧ください。

関連記事:虚無感とは?虚無感に襲われる原因や症状、解消法を解説

喪失感を抱いたときの行動の変化

喪失感を抱くと、以下のように行動が変化します。

【喪失感を抱いたときの状態】

  • 何もやる気が出なくなる無気力状態

  • 喜怒哀楽を感じにくくなる

  • 人と会うのがしんどくなる

  • 感情が不安定になりやすい

大切なものを失ったときは現実をなかなか受け止めきれずに、無気力状態に。ふとした瞬間に悲しくなることもありますが、乗り越えるために必要な過程です。

喪失感を抱きやすい出来事

喪失感を抱きやすい出来事は大切な人との死別だけではなく、以下のような出来事にもあてはまります。

【喪失感を抱きやすい出来事】

  • 大切や人・家族・ペットとの死別

  • 楽しい時間を過ごした後

  • 恋人と別れたとき

  • 治療や手術によって体が変化したとき

喪失感は悲しい出来事だけではなく、楽しい時間を過ごした後など日常生活でも起こる感情です。時間はかかりますが、乗り越え方を身に着けておくと心の負担が軽くなるでしょう。

喪失感の乗り越え方・対処法

喪失感を乗り越えるために、対処方法を理解しておくことが重要です。具体的な対処法は、以下のとおり。

【喪失感の乗り越え方・対処法】

  • 泣きたいだけ泣く

  • 趣味や予定を入れて、一人で考える時間を減らす

  • 誰かに話を聞いてもらう

  • カウンセリングを受ける

自分に合った対処法で、自分のペースで喪失感を乗り越えていきましょう。具体的に説明します。

泣きたいだけ泣く

泣きたいだけで泣くことで、心が解放的になる効果があります。喪失感は深い悲しみや失望感を伴うため、感情を抑えずに泣くことで、心の中にたまった感情を解放し、心の安定が取り戻しやすくなります。

泣きたいだけ泣くことで感情を表現し、悲しみや怒りなどさまざまな感情を受け入れることが重要です。

趣味や予定を入れて、一人で考える時間を減らす

趣味や予定を入れて、一人で考える時間を減らすようにしましょう。一人で考え込む時間が長くなると、孤独を感じやすくなる可能性があるからです。

誰かと楽しめる趣味や予定を入れると気分転換できるだけではなく、気持ちが少しでも前向きになれるでしょう。趣味を通して他の人と交流して楽しみを見つけることで、心のバランスを保てるため、いろいろな人とつながってみてください。

誰かに話を聞いてもらう

誰かに話を聞いてもらうことで、心が軽くなります。感情や思いを人と共有することは、喪失感を軽減するために効果的です。

信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうことで、感情の整理ができ、共感してもらえます。ひとりで気持ちを抱え込まず、喪失に対する悲しみや苦しみを話してみてください。

カウンセリングを受ける

カウンセリングを受けることで、自分が抱えている悩みや感情をカウンセラーと共有することで、思考の整理ができます。また喪失感を軽減するためにも有効で、適切なサポートが受けることが可能に。

オンラインカウンセリングの「こころケア」であれば、自分から出向く必要もなくどこからでも相談可能です。喪失感に襲われて外出することが難しい場合でもご利用いただけるため、ぜひご検討ください。

喪失感を抱いたまま放置すると危険? 

喪失感を味わうような大きな出来事をそのまま放置していると、うつ病などの精神疾患につながる可能性も。喪失感が大きいと、寂しさ、悲しさも大きくなり、気持ちが落ち込むと改善までに時間がかかります。

そこからさらに落ち込むと、うつ病になってしまうこともあります。

うつ病に見られる主な症状

うつ病に見られる主な症状は、以下のとおりです。

【うつ病の主な症状】

  • 憂うつ、気分の落ち込みがある

  • 興味や喜びの喪失

  • そわそわする、または体が重い

  • 疲れやすい

  • 自分を責める

  • 思考力・集中力の低下

  • 死にたいと思う

喪失感なのか、それともうつ病を発症してしまっているのかを、個人で判断することは大変困難です。うつ病は「気分が落ち込む」といった心の状態だけではなく、「食欲がない」「体が重い」など、体にも症状が出る病気。うつ病かもしれないと感じたら、医療機関で受診したり、オンラインカウンセリングで相談したりしてみてください。

関連記事:うつ病とは?症状や要因のほか、うつ病の治し方について解説

まとめ 

喪失感は大切なものを失ったときだけでなく、日常生活でも起こりうる感情です。放置しておくと乗り越えるまでに時間がかかるだけではなく、うつ病などの精神疾患になる可能性も考えられます。医師やカウンセラーなどの専門家を頼って、自分なりのペースで向き合ってみましょう。

喪失感がつらい時は、相談先としてカウンセリングを受けるといいでしょう。カウンセリングを受けたいときは「こころケア」がおすすめです。「こころケア」はオンラインに対応しており、スマホとインターネット環境があり、プライバシーが守られ安心して話せる場所であれば、どこからでもカウンセリングを受けられます。喪失感から生じるさまざまな感情を吐き出したい方は、ぜひご利用をご検討ください。

 

記事監修

公認心理師 櫻井 良平

監修者写真兼カウンセラー写真

国家資格
  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • キャリアコンサルタント
  • 社会福祉士
  • 保育士
所属学会等
  • 日本認知療法・認知行動療法学会
  • 日本発達障害支援システム学会
    (第17回研究セミナー・研究大会において学会賞受賞)
略 歴
  • 医療機関や民間のセンター等での対面・電話・オンラインカウンセリング経験が豊富
  • 認知行動療法にかかる厚生労働省・国立研究機関主催研修を修了
  • 第一線の専門家に師事し、精神分析療法、解決志向短期療法、愛着理論、応用行動分析学等を研究
  • 教育・心理・社会保障・保健医療分野における国内外の国際協力プロジェクトへの従事経験を持つ
    (開発途上国における「育児・子育て手法」「発達アセスメント・支援ツール」「知能検査」の開発・普及プロジェクト等)