自分に自信がない人の特徴と原因は?克服する方法も解説
「自分に自信がないのはなぜだろう」と思い悩む人は多いのではないでしょうか。いろいろと対策を考えてはみるものの、上手くいかない人もいるかもしれません。
そこで本記事では、自分に自信がない人にみられる原因や、自信が持てない自分を克服する方法について解説します。自信を持って日々を過ごしたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
自分に自信がない人の特徴
自分に自信がない人にはさまざまな特徴があります。主な特徴は以下の通りです。
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人に嫌われたくないと思っている
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他者と自分を比較する癖がある
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失敗したくないと思っている
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落ち込みやすい
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周りに流されやすい
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コンプレックスがある
他者を気にしすぎて失敗を恐れたり、周りに流されたりしていると、行動を起こしにくくなります。そのため、いつまで経っても成功体験が積めず、自信を持つきっかけが得られません。
人に嫌われたくないと思っている
人に嫌われたくないと思っている人は、他者の評価ばかりを気にしてしまいます。「相手に嫌われたらどうしよう」とか「批判の目を向けられたらどうしょう」などと考え、不安な気持ちがつきまといます。他者の評価によって自分の価値を認識しようとするあまり「人に嫌われない自分」を演じ、精神的に疲弊する傾向があるでしょう。その結果、自分に自信が持てなくなってしまいます。
他者と自分を比較する癖がある
他者と自分を比較する癖があると、自分の欠点を見つけて落ち込むことが多くなります。たとえ一定の成果を出しても、より大きな結果を出している人と自分を比較してしまい、自信が持てなくなってしまうでしょう。また、「自分はなぜこんなに能力がないんだ」と劣等感を抱き、自己嫌悪に陥ってしまいます。
失敗したくないと思っている
過去の失敗がトラウマとなり、失敗を恐れるようになると、行動できなくなります。行動できなくなると、成功体験が積めず、自信を持つきっかけが得られません。またその失敗が大きければ大きいほど、その分トラウマも大きくなり、自分を肯定するための1歩が踏み出せなくなります。
落ち込みやすい
落ち込みやすい人は、自己肯定感が低いため「自分はダメな人間なんだ」と思い込んでしまいます。「なにをやってもうまくいくはずがない」と決めつけてしまい、行動できなくなるでしょう。また、自己否定の癖があると成功体験が積めず、自信が持てなくなります。
周りに流されやすい
周りに流されやすい人は、自分の意見が持てません。「この方法が正しい」と思っていても、他者の意見に流されてしまい、自分の意見が人に伝えられなくなります。その結果、自己肯定感が低くなり、自信が持てなくなるでしょう。
コンプレックスがある
コンプレックスがあるということは、弱みを抱えている状態を指します。弱みがあると、目標のために前進できなかったり、自発的に行動ができなくなったりします。そのため、自信を持つきっかけが得られず、疲弊してしまうでしょう。
自分に自信が持てない原因
自分に自信が持てない主な原因としては、以下のことが挙げられます。
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褒められることが少なかった
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挫折や失敗がトラウマになっている
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親が毒親だった
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人間関係でトラウマを抱えてしまった
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自分の能力を実感できる環境が少なかった
子どものときに感じた挫折や失敗、苦しい経験が、一生のトラウマになることがあります。トラウマは人の行動を制限し、自信を喪失させます。一度トラウマを抱えてしまうと、なかなか解消できず、苦しみ続ける原因になることもあるでしょう。
褒められることが少なかった
幼少期から褒められる経験が少ない子どもは、自信を持てずに大人になる傾向があります。自分を肯定してくれる存在がいなかったため、自分の意見や考えが正しいかが判断できません。そのため、自己肯定感が低くなり、自信が持てなくなるでしょう。
挫折や失敗がトラウマになっている
今まで努力してきたにもかかわらず失敗に終わったり、志半ばで挫折したりすると、立ち直るのが困難になります。また、これらがトラウマとなり、心に大きな傷ができてしまう場合もあります。このようなトラウマができると、再び挫折や失敗をするのが怖くなり、自信をつけるための行動が起こせなくなるでしょう。
親が毒親だった
毒親とは、子どもに害を与える親のことを指した造語です。毒親は子どもの存在を否定し、容姿や言動を馬鹿にしたり、厳しい言葉を投げかけたりします。また、しつこく干渉し、子どもの自由を奪って行動できなくすることもあります。子どもの頃から毒親に育てられ、我慢を強いられた子どもは、自分に自信がない子どもに育つ可能性があるでしょう。
関連記事:毒親とは?原因や特徴、子どもに与える影響、毒親に対する対処法を解説
人間関係でトラウマを抱えてしまった
過去の人間関係で人格や行動を否定されると、自分の存在が否定された気分になり、大きなトラウマを抱えるきっかけになります。「なぜこんなこともできないんだ」と強い言葉を浴びると、精神的に疲弊してしまいます。言葉を放った本人には悪気がなくても、言葉を受けた側の人にとっては一生のトラウマになり、自分に自信がない状態になってしまうでしょう。
自分の能力を実感できる環境が少なかった
子どものときから何かに挑戦できる機会がない状態で育つと、自分の能力を試す機会がなく、自分に自信がない大人に育ちます。苦しいことやつらいことから逃げ、楽な道に逃げるのは間違いではありませんが、その一方で挑戦することが怖くなり、自信が保てなくなることもあるでしょう。
自信が持てない自分を克服する方法
自信が持てない自分を克服する方法は、以下の通りです。
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自分自身と向き合い、受け入れる
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物事の捉え方をポジティブに変換する
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成功体験を積み重ねる
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自分自身をスキルアップさせる
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環境を整える
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カウンセリングを受ける
まずは、できない自分を肯定し、受け入れ、物事の捉え方をポジティブに変換する癖をつけましょう。もし環境が起因して自信が持てないのであれば、住んでいる場所を変えてみたり、職場や人間関係などの環境を変えてみたりしてください。
自分1人では解決できそうにない場合は、身近な人に相談してみたり、カウンセラーに相談してみたりするのもおすすめです。自分では気づけなかった強みや長所が見つかり、自分に自信を持つきっかけが得られるかもしれません。
自分自身と向き合い、受け入れる
「自分はなんてダメな人間なんだ」と悲観する必要はありません。これまで他者から評価されず、否定され続けたとしても、あなたを必要としてくれた人が必ず1人はいたはずです。弱い自分が嫌いで否定したくなっても、そんな自分を受け入れてみてください。今まで自分を必要としてくれた人の顔を思い浮かべれば、自分を受け入れやすくなるはずです。
物事の捉え方をポジティブに変換する
物事の捉え方について考えを深め、自分がどんなことにマイナス要素を感じるのか、整理してみてください。長所と短所は表裏一体なので、自分で短所だと思っていたことも見方を変えると、他者にとってはプラスに捉えられることもあります。
例えば、「決断が遅い」という短所があるとしたら、見方を変えると「思慮深い」と捉えられることもあるかもしれません。あなたが欠点や短所だと思っていることが他者の役に立つこともあります。まずは1度、自分の長所と短所はなにか、じっくり考えてみてください。
成功体験を積み重ねる
成功体験を積み重ねることができれば、自信がつきます。そのため、まずは行動することが重要です。1日1回大きな声で挨拶をするなど、どんなに些細なことでも構いません。自分なりに立てた目標に向かって行動し、達成することで、自信も伴ってついてくるでしょう。
自分自身をスキルアップさせる
スキルが身につくと、自信がつきます。例えば、本を読んで新しい知識を習得したり、資格試験に合格するために勉強を継続したりしていると、スキルが身につき、必ず人の役に立てる日がきます。そして、自分のスキルが人の役に立ったとき、心が充実感で満たされ、自然と自信が持てるようになるでしょう。
環境を整える
人の精神状態は、環境次第で変わります。ネガティブな人と常に一緒にいると、自分の思考もネガティブになりやすくなります。一方で、ポジティブな人と一緒にいると、自分の思考もポジティブになりやすいでしょう。
もし環境が原因で自分に自信がない状態が起きているのであれば、思い切って環境を変えてみるのもおすすめです。たとえば、ビジネスマンであれば、今とは違う部署へ異動願いを出すなどの対策が挙げられます。簡単にできないこともありますが、検討してみる価値のある方法です。
カウンセリングを受ける
自分に自信がない人は、カウンセリングを受けることをおすすめします。カウンセリングでは、自信が持てない原因や自信を持つための方法などについて、専門的な知識を持ったカウンセラーがその人に合ったアドバイスをしてくれます。自分ではどうにもできず、苦しい日々を送っている人は、1度カウンセリングを受けることで心が楽になるかもしれません。
仕事が忙しい、家を空けられないなど事情がある人は、オンラインカウンセリングという選択肢もあります。オンラインカウンセリングはインターネット接続ができる環境があり、プライバシーが守られ安心して話せる場所であれば、どこからでも利用可能です。主に以下のようなメリットがありますので、ぜひ検討してみてください。
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スケジュール調整がしやすい
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地方や海外在住でも利用しやすい
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自宅などからリラックスした状態で臨める
また、カウンセリングをどこで受けるか悩んでいる人は、「こころケア」のオンラインカウンセリングを利用してみてはいかがでしょうか。「こころケア」では、医療機関での臨床経験のあるカウンセラーが在籍していますので、一人ひとりに丁寧に寄り添い、専門家ならではの心理的サポートを受けられます。
まとめ
自分に自信がないと感じている人は、自分と他者を比較しがちで、周りに流されて落ち込みやすい特徴を持っています。また、人に嫌われることや失敗・挫折を経験することを恐れている傾向もあります。
自信が持てない自分を克服する方法は、自分の弱い部分を受け入れることです。欠点と思われることでも、他者にとっては長所と捉えられることもあります。また、ときには他者に相談してみることも大切です。家族や友人、または専門のカウンセラーに相談することで、自分では気づけなかった発想や考えが生まれるかもしれません。
自分に自信を持ち、健康的な毎日を過ごすためにも、まずは行動することから始めましょう。
記事監修
公認心理師 櫻井 良平
国家資格
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- キャリアコンサルタント
- 社会福祉士
- 保育士
所属学会等
- 日本認知療法・認知行動療法学会
- 日本発達障害支援システム学会
(第17回研究セミナー・研究大会において学会賞受賞)
略 歴
- 医療機関や民間のセンター等での対面・電話・オンラインカウンセリング経験が豊富
- 認知行動療法にかかる厚生労働省・国立研究機関主催研修を修了
- 第一線の専門家に師事し、精神分析療法、解決志向短期療法、愛着理論、応用行動分析学等を研究
- 教育・心理・社会保障・保健医療分野における国内外の国際協力プロジェクトへの従事経験を持つ
(開発途上国における「育児・子育て手法」「発達アセスメント・支援ツール」「知能検査」の開発・普及プロジェクト等)