好きすぎてつらいのはなぜ?原因や苦しい、しんどいときの対処法を解説
相手を好きだという気持ちが強くなりすぎて、「好きすぎてつらい」「好きな気持ちを抱え続けるのがしんどい」と感じたことはありませんか?
相手を大切に思うからこそ生まれる気持ちですが、なぜ好きすぎるとしんどくなるのでしょうか。今回は、好きすぎてつらい・しんどいと感じる原因や、つらい気持ちになってしまう人の特徴、抜け出すための対処法などを解説します。
好きすぎてつらい、しんどいと感じるのはなぜ?原因は?
好きすぎてつらい、しんどいと感じる気持ちは、恋愛や推し活において、抱えやすい感情です。なぜ好きというポジティブな感情が、つらい・しんどいというネガティブな感情をもたらしてしまうのでしょうか。
1番の原因として挙げられるのは、相手とうまくいかなかった場合に自分を過度に責めてしまい、ストレスを抱えてしまうためです。「自分と同じくらい相手にも好きになってほしい」「こんな自分でいいのかな」「気持ちが重すぎて振られてしまったらどうしよう」という気持ちが不安となり、それがストレスへとつながります。
また、過去に恋愛で傷ついたことがある人であれば、好きという気持ちにブレーキをかけようとしてしまい、抑制された好きな気持ちが行き場をなくしてストレスになっている場合もあるのです。
このような心理的ストレスが常にかかり続けると、イライラしやすくなって相手に攻撃的な感情を抱いてしまったり、不安や気分の落ち込みを感じて何も手につかなくなってしまったりといった状態になります。
好きすぎてつらい、しんどい気持ちになってしまう人の特徴
好きすぎてつらい、しんどいという気持ちは、誰でも抱えてしまう感情ですが、気持ちが大きくなった状態に陥りやすい人には、以下の特徴があります。
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好きな人が常に最優先の人
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恋愛体質な人
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嫉妬深い人
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自分に自信がない人
共通していえるのは、「相手の状態に振り回されやすい」ということです。それでは詳しく見ていきましょう。
好きな人が常に最優先の人
好きな人が常に最優先の人は、一途な人ともいえます。相手のことしか見えなくなり、何を決断するにも「あの人ならこうする」「どれを選べば喜んでもらえるか」など、相手を基準に考えて行動します。相手のことを考える時間が長くなったり、相手に振り回される行動をとったりしてしまうため、嫉妬する感情が芽生え、自己肯定感を得られず自信を失ってしまうようになるといった苦しみに悩まされがちです。
恋愛体質な人
恋愛体質な人は、惚れやすい人ともいえます。熱しやすく冷めやすいため、惚れてしまうと、どんどんと好きな気持ちが膨らんでいき、結果「好きすぎてつらい」となってしまいがちです。
しかし、冷めやすい性質も持ち合わせているため、自ら悲恋へと導いたかと思うと、気付けば次の相手を見つけて再度「好きすぎてつらい」という状態に陥ってしまうことも。短いサイクルでループしてしまうタイプといえます。
嫉妬深い人
嫉妬深い人は、恋人や好きな相手に対し、「自分以外の異性と話さないでほしい」「浮気されているか心配」といった欲求や不安を抱きやすい人です。相手が思い通りにならないと、不満や苛立ちを高まってしまうため、ストレスを受けて疲労が溜まってしまいがちです。
「なんで理解してくれないの!」と爆発しやすい特徴もあり、爆発してしまうと相手が離れていき、後悔してしまうこともあるので、感情のコントロールがあまりうまくない人であるともいえます。
自分に自信がない人
自分に自信がない人は、思いが通じて交際してる間も、自分への劣等感で無用な悩みや苦しみを抱きやすい人です。
思うようにアプローチできない、交際していても「いつか振られるのでは?」と不安な気持ちを抱きやすいことからネガティブな思考が深まっていき、好きという気持ちを持つこと自体がつらい、しんどいと感じてしまいがちです。
好きすぎてつらい気持ちから抜け出すための対処法
好きすぎてつらい、しんどいという気持ちから抜け出し、少しでもストレスを和らげるためには、以下のような対処法が有効です。
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1人で考えこむ時間を作らない
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自分の好きという感情を認める
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相手が喜ぶことを1番に考える
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相手に期待しすぎない
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SNSをやめてみる
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自分磨きをする
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自分の気持ちを相手にきちんと伝える
どの対処法も、自分の気持ちにきちんと向き合って相手に伝える、相手へ過剰な思いを抱きすぎないようにするといったことが重要です。ここからは、それぞれの対処法について具体例とともに詳しく解説していきます。
1人で考えこむ時間を作らない
相手のことを考える時間が長い、相手のことをすぐに考えてしまうという人は、1人で考え込む時間を作らないようにしてみましょう。積極的に家族や友人と関わりを持ち、相手のことを考える時間を無くすことで、答えの出ないネガティブな思考のループから抜け出さざるを得なくなります。
気持ちや意識を他のことに分散させるため、物理的に相手のことを考える時間を絶つことができ、つらくしんどい気持ちを感じにくくなります。
たとえば、新たに趣味を作ってみる、仕事など目の前にあることを丁寧に取り組んでみる、友人や家族との予定を入れるなど、没頭できる何かを見つけたり、考える時間を無くしたりすることがおすすめです。
自分の好きという感情を認める
自分が相手のことを好きだという感情を認め、「こうすると嫌われるかも」「こんな私が好きになっていいはずがない」など、不安や恐れをベースとした感情から抜け出してみましょう。相手のことが好きという気持ちを否定したり、押さえつけたりし続けることは、余計に苦しく、つらい気持ちを増幅させてしまいます。
気持ちを認めることで楽になり、好きすぎるという気持ちの高ぶりも、時間が経てば落ちついてくるかもしれません。
また、自分を責めることをやめただけで、安心感が湧いてくることもあります。たとえば、自分の好きという気持ちに自信を持って行動する、好きな気持ちを抱いている時間に幸せを感じてみるなど、自分の気持ちを否定せずに大切にしてあげることで、物事がスムーズにいきやすくなります。
相手が喜ぶことを1番に考える
相手が自分をどう思っているかが気にとなって、好きすぎてつらいという状況に陥っている人におすすめなのが、相手が喜ぶことを1番に考えるという方法です。好きすぎてつらくなっている状況では、相手のことを考えているようで、自分への評価や態度を考えているため、結局1人でグルグルと好きすぎてつらいという思考が深くなってしまいがちです。
本当に相手のことを好きで大切にしたいと思うのであれば、自分がどう思われたいかではなく、相手が喜びや幸せを感じてくれる言動は何かという視点で考えてみましょう。
たとえば、相手の幸せを願ったり、相手の大切にしているものは何かを考えてみたりと、相手の立場に立って考えてみると、悶々とした思考から抜け出せ、楽になれる可能性があります。
相手に期待しすぎない
自分と同じくらい相手にも好きになってほしいというのは、誰でも抱くことのある気持ちのひとつです。しかし、相手に期待しすぎたり、気持ちの見返りを求めすぎたりするのはやめてみましょう。見返りを求める気持ちが強くなりすぎると、相手にどう思われているのかという気持ちが大きくなり、やがて相手の行動に嫉妬するようになってしまいます。
相手へ期待することをやめ、相手のペースや時間を大切にすることで、相手に向く好意の量が適度になれば、好意の返報性の法則が働き、相手からも好意が返ってくるようになります。
たとえば、LINEの催促をやめたり、今まで近すぎていた距離を少し離れてみたりといったことも有効です。まずは、相手との適切な距離を見直してみましょう。
SNSをやめてみる
好きな人の行動をチェックしたり、相手からの連絡に一喜一憂したり、LINEやInstagramなどのSNSを何度もチェックしてしまう呪縛から解放されましょう。スマホを持っていると、ついつい手が動いてSNSを開いてしまうという人も多いでしょう。
相手が異性と絡んでいるところを見てショックを受けたり、返信がきていないか何度も確認することは、何度も細切れに意識を向けたり考え込んだりしてしまい、精神衛生によくありません。自律神経のバランスを保つという意味でも、SNSをやめてみることは効果があります。
たとえば、スマホの電源を切ったり、睡眠時間やテレビの視聴時間にあてたりと、どうしてもスマホを触ってしまう人は物理的に遮断してしまうことも必要です。
自分磨きをする
自分に自信がなく、好きすぎてつらいという状況に陥っている人にとくにおすすめしたいのが、自分磨きをするという方法です。メイクやファッションといった見た目に限らず、知識を増やす、教養を磨くといった自分磨きも自己肯定感を上げ、自信を持って相手に向かえるようになります。
劣等感や不安を抱いているところはどこなのかを分析して解消することで、相手がどう思っているのかという感情に振り回されることがなくなります。
たとえば、本を読んで自分の感情を整理してみたり、プロの手を借りて外見をイメージチェンジしてみたりといったことも有効です。小さなことから積み重ねて、自他共に認める素敵な自分になれば、恋愛に対する感じ方も変わってくるかもしれません。
自分の気持ちを相手にきちんと伝える
不安な気持ちを抱いていることを、思い切って相手に伝えるということも有効です。言葉にしなければ相手に伝わらないことは多く、愛し合っている相手だからといって特別通じ合えるということも稀です。
相手があなたを大切に思っているのであれば、きちんと受け止めて一緒に解決策を考えてくれるはずですし、好意を向けられて嫌と思う人は少ないものです。片思いや思いの届かないような相手であっても、1人でモヤモヤを抱えるより気持ちをきちんと伝えた方が、心も頭もスッキリします。
不安な気持ちをうまく説明することができないのであれば、相手を大切に思っている気持ちや、自分が不安に思っていることを解消させたいと伝えるだけでも大丈夫です。このとき、決して「だから会いに来て」「必ず返事をして」など、相手へ要求を押しつけないように注意しましょう。
好きすぎてつらいなら、オンラインカウンセリングで相談してみよう
好きすぎてつらい、しんどいという気持ちは、誰でも抱いてしまうものです。その気持ちが大きくなって爆発してしまう前に、きちんとガス抜きをして、つらくしんどい気持ちから抜け出すための対処法を実践し、相手と適度な距離を保つことが、気持ちと上手く付き合う上で大切です。
もし好きすぎてつらい思いが自分で解決できないのであれば、相談先としてカウンセリングを受けてみるのも選択肢のひとつです。オンラインカウンセリングは、場所や時間に融通が利き、スマホさえあれば受けられます。資格や経歴、得意分野、性別など、さまざまな要素を把握したうえで、カウンセラーを自分で選ぶことができるのもメリットです。なかでもオンラインカウンセリング「こころケア」には、医療機関で臨床経験のあるカウンセラーが多数在籍していますので、ぜひご利用をご検討ください。
記事監修
公認心理師 櫻井 良平
国家資格
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- キャリアコンサルタント
- 社会福祉士
- 保育士
所属学会等
- 日本認知療法・認知行動療法学会
- 日本発達障害支援システム学会
(第17回研究セミナー・研究大会において学会賞受賞)
略 歴
- 医療機関や民間のセンター等での対面・電話・オンラインカウンセリング経験が豊富
- 認知行動療法にかかる厚生労働省・国立研究機関主催研修を修了
- 第一線の専門家に師事し、精神分析療法、解決志向短期療法、愛着理論、応用行動分析学等を研究
- 教育・心理・社会保障・保健医療分野における国内外の国際協力プロジェクトへの従事経験を持つ
(開発途上国における「育児・子育て手法」「発達アセスメント・支援ツール」「知能検査」の開発・普及プロジェクト等)