コラム

自分が嫌い・許せないという人へ|嫌いになってしまう原因と克服方法を紹介

自分自身

「どうして自分のことが嫌いと感じてしまうのだろう」と悩んだ経験はありませんか。完璧主義の性格だったり、自分に自信がなかったりする場合は、自分のことが嫌いと思う傾向があります。

今回は、自分が嫌い・許せないと感じてしまう原因と、対処法について解説します。ありのままの自分を受け入れて生きていきたいと感じている人は、参考にしてみてください。

関連記事:自己嫌悪とは?原因や自己嫌悪に陥ったときの対処方法を解説

自分が嫌い・許せないと感じてしまう原因  

自分が嫌いで自己嫌悪に陥ると、どんどんネガティブになり、楽しく生きることが難しくなってしまいます。

自分を嫌いになってしまう主な原因としては、以下のことが挙げられます。

【自分が嫌い・許せないと感じてしまう原因】

  • 完璧でないといけないと思っている

  • 他人の目や評価を気にしすぎている

  • 責任感が強く人を頼らないのが良いと思っている

  • 自分を犠牲にして人に尽くしている

  • 自分に自信がなく自己肯定感が低い

  • 過去の失敗を引きずっている

  • HSPの可能性

  • 思春期妄想症などの病気の可能性

性格から病気の可能性まで、原因は多岐にわたります。

それぞれ具体的に説明します。

完璧でないといけないと思っている

完璧主義は、すべてが計画どおりにいかないと満足できない性格です。成長にはつながりますが、完璧を求めすぎて理想に届かないときは自己嫌悪に陥ってしまうでしょう。

また、欠点やミスを許せず、厳しく評価することで、自分を嫌いになる可能性があります。さらに「手を抜けない自分」や、「他人にも同じくらいの完璧主義を求めてしまう自分」を許せないこともあるかもしれません。

他人の目や評価を気にしすぎている

他人の目や評価を気にしすぎていると、自己評価が低くなり、他者からの評価を上げようと執着してしまう傾向にあります。

また、他人の評価を重視するため、他人の意見や考えに合わせて自分の意見や考えまでコロコロと変えてしまうこともあるでしょう。そうやって他人に左右されることで自分を見失い、ますます自分を嫌いになってしまいます。

責任感が強く人を頼らないのが良いと思っている

責任感が強く人に頼らない人は、自分自身ですべてを解決しようとします。自分だけで責任を背負いすぎることで疲れてしまい、自分を嫌いになる原因につながるおそれがあります。また、ひとりで抱え込むことで孤独な状況を作りだし、他者からの評価を得る機会をなくしてしまい、「自分が嫌い」という感情から抜け出せなくなります。

自分を犠牲にして人に尽くしている

自分を犠牲にして人に尽くしていると、本来やりたいことができずに自暴自棄になり、結果として自己評価が下がって自分のことが許せなくなる可能性があります。もちろん人に尽くすことは悪いことではありませんが、自分を蔑ろにしすぎるといつのまにか考え方が否定的になり、自分のことを嫌いになってしまいます。

物事をネガティブに受け止めがち

物事を否定的に解釈したり、自分を責めたりすることで、自分を嫌いになる可能性が高くなります。冷静な視点で自分の問題点、反省点を見つけることはときに大事な作業ではありますが、根拠もないのにネガティブな思考で物事を捉えるくせがつくと、自分自身にさえ否定的な視線を向けるようになってしまうでしょう。

自分に自身がなく自己肯定感が低い

自分に自信がなかったり、自己肯定感が低かったりすることも、自分を嫌いになる原因のひとつです。

自己肯定感が低い人は、自分自身を否定したり、疑ったりする傾向があります。自己肯定感を高めるためには、自分の成功体験や好きなことに焦点を当てて、自分自身をありのままに受け入れることが重要です。

自己肯定感については、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:自己肯定感とは?低い人の特徴や高める方法をわかりやすく解説

過去の失敗を引きずっている

過去の失敗や挫折を引きずることで自信がなくなり、新しいことへの挑戦を躊躇してしまうことがあります。過去の失敗から学ぶことは重要ですが、長く引きずればそれだけ成長の機会を逃す可能性が高くなるでしょう。

失敗したとしても少しずつその現実を受け入れ、成長の機会として捉えることが重要です。

HSPの可能性

自分のことが嫌いだったり許せなかったりするときは、HSPの可能性もあります。HSPは刺激や他人の感情に敏感に反応し、ネガティブな影響を受けやすい傾向があります。また、他者の態度で自己評価が左右されるため、自分のことを嫌いになりやすいでしょう。

自分のことを受け入れるためにはHSPの気質を理解し、ストレスの対処法を身につけることが大切です。

HSPについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:HSPとは?4つの特徴や診断方法・生きづらさを軽減するためのポイントを解説

思春期妄想症などの病気の可能性

自分のことが嫌い・許せない場合は、思春期妄想症などの病気の可能性もあります。

思春期妄想症は、思春期によく見られる精神疾患です。幻聴や幻覚が起こり、人間関係や学業に支障が出る場合があります。

治療方法は薬物療法やカウンセリングです。カウンセリングでは日常生活の困りごとやしんどさをカウンセラーと共有し、改善策を一緒にさぐっていきます。

自分が嫌いでたまらない人の対処法  

自分が嫌いでたまらない人におすすめの対処方法は、以下のとおりです。

【自分が嫌いでたまらない人の対処法】

  • まずは気分転換をする

  • 他人と比べるのをやめる

  • 自分の良いところを書き出す

  • 自分に優しくするようにする

  • したくないことにはNOをはっきりと言う

  • 人に話を聞いてもらう

  • カウンセリングを利用する

もちろん適切な対処法は人によって違います。これらを参考にして自分に合った対処法を見つけましょう。

まずは気分転換をする

日常生活から離れて、気分転換してみましょう。たとえば、散歩に出かける、リラックスできる音楽を聴くなど、自分がリフレッシュできることを見つけてみてください。

気分転換を通して新しい活動に取り組むことで、刺激が受け、否定的な感情から抜け出し前向きな気持ちを取り戻せるかもしれません。

他人と比べるのをやめる

他人と比較して自分を否定することをやめましょう。

自分自身の成長に視線を向けることで、他人との比較からくるストレスや不安を減らせます。まずは自分に合った目標を設定し、できたことだけに目を向けるよう意識してみてください。

自分の良いところを書き出す

自分の良いところを書き出すことで、ポジティブな気持ちになり、自己肯定感が高まります。実際に書き出すことで、ネガティブな感情や思考に客観的に立ち向かえるためです。

また、自己肯定感が高まると自信がつき、物事に対して前向きに取り組めます。自分自身の強みを意識して、自分の良いところをひとつでもよいので書き出してみてください。

自分に優しくするようにする

自分を嫌いになると、厳しい言葉や批判的な考えが浮かびがちになってしまいます。

しかし、そのような時こそ自分に優しくするように心掛けましょう。好きなことをする、リラックスする、自分を褒めるなど習慣を取り入れることで、徐々に自分を受け入れやすくなります。

したくないことにはNOをはっきり言う

したくないことには、はっきりとNOを言いましょう。

自分が嫌いと感じている人は、他人の期待に応えようと無理をしてしまう傾向があり、「やりたくないことをやっている」というストレスを抱え込んでしまいます。自分の意見や欲求を伝えることで、そのようなストレスを抱えずに済み、また、自分の価値観がはっきりして自己肯定感が高くなることが期待できます。

人に話を聞いてもらう

信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうことで、心の負担が軽くなり、新たなアドバイスが得られます。また、人から気持ちを共感してもらうことで、心が癒されたり安心できたりします。ほかにも、同じような経験や感情を抱えている人とつながることで孤独感を減らし、希望や勇気を持てるなど、そのメリットは絶大です。

カウンセリングを利用する

カウンセリングでは、カウンセラーと一緒に気持ちを整理したり、気持ちを共有したりします。カウンセラーは自分と利害関係にない相手なので話がしやすく、また、自分が嫌いと思っている気持ちやその原因を深く掘り下げられるのが、カウンセリングのメリットです。1回だけではなく継続的に受けることで、効果は出やすくなります。

カウンセリングを受けられる場所まで行くことが難しい場合は、オンラインカウンセリングもおすすめです。「こころケア」のオンラインカウンセリングでは、専門知識を備えたカウンセラーが一人ひとりの悩みに真摯に向き合います。インターネット接続ができる環境があり、プライバシーが守られ安心して話せる場所であれば、どこからでも相談できるので、ぜひご活用ください。

自分が嫌いな気持ちを放置すると病気のリスクも 

自分のことが嫌いだという感情を抱いたまま長年放置すると、うつ病などの精神的な病気を発症する可能性があります。自分のことが嫌いで苦しいと思うのであれば、早めに医療機関に相談しましょう。

うつ病の症状がある場合は注意が必要!

うつ病とは「気分が落ち込む」といった心の問題だけではなく、「食欲がない」「体が重い」など、体にも症状が出る病気です。

主な症状としては以下のことが挙げられます。

【うつ病の主な症状】

  • 憂うつ、気分の落ち込みがある

  • 興味や喜びの喪失

  • 食欲の異常

  • 疲れやすい

  • 死にたいと思う

自分が嫌いな状態が続いて、上記のような症状が見られたら、医療機関で受診するようにしましょう。もし病院に行きにくいのであれば、オンラインカウンセリングの活用も検討してみてください。

関連記事:うつ病とは?症状や要因のほか、うつ病の治し方について解説

まとめ 

自分が嫌い・許せない状態が続くと、心身ともに悪影響を及ぼします。気分転換をしたり、自分の良いところを書き出してみたりと、自分に合った対処法を身に付けることが重要です。

自分のことが嫌いでつらくて悩んでいるのであれば、相談先としてカウンセリングを検討してみてはいかがでしょうか。「こころケア」はオンラインでカウンセリングを行っており、プライバシーが守られ安心して話せる場所であれば、どこからでも専門的なカウンセリングを受けられます。

自分が嫌いな方、自分を好きになりたい方は、こころケアのカウンセラーにぜひご相談ください。

 

記事監修

公認心理師 櫻井 良平

監修者写真兼カウンセラー写真

国家資格
  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • キャリアコンサルタント
  • 社会福祉士
  • 保育士
所属学会等
  • 日本認知療法・認知行動療法学会
  • 日本発達障害支援システム学会
    (第17回研究セミナー・研究大会において学会賞受賞)
略 歴
  • 医療機関や民間のセンター等での対面・電話・オンラインカウンセリング経験が豊富
  • 認知行動療法にかかる厚生労働省・国立研究機関主催研修を修了
  • 第一線の専門家に師事し、精神分析療法、解決志向短期療法、愛着理論、応用行動分析学等を研究
  • 教育・心理・社会保障・保健医療分野における国内外の国際協力プロジェクトへの従事経験を持つ
    (開発途上国における「育児・子育て手法」「発達アセスメント・支援ツール」「知能検査」の開発・普及プロジェクト等)