嫉妬とはどんな心理?意味や特徴、嫉妬深い性格を直す方法まで解説
嫉妬は、他者を妬ましい、羨ましいと思う感情です。しかし、嫉妬心が強くなると相手だけでなく、自分まで苦しめてしまいます。
そこで今回は、嫉妬する理由や嫉妬深い人の特徴など、嫉妬心について詳しく解説します。嫉妬心をコントロールする方法や、嫉妬深さを直す方法、プロに相談できるおすすめのオンラインカウンセリングにも触れています。嫉妬深さを直したいという方は、ぜひ一読ください。
嫉妬とは
嫉妬とは、他者が自分よりも優れている、好きな人がほかの異性に気を向けているときなどに生じる、羨ましい、妬ましいという気持ちを指します。やきもちを焼く感情にも類似し、憎しみといった醜い感情も含む言葉ですが、動物的な発作ともいえる当たり前の気持ちであることが特徴です。発作的な感情であるがゆえに、コントロールすることが難しいといった性質もあります。
嫉妬する理由
嫉妬は、格下だと思っていた人が、自分を超えて優れていると感じたときに生じやすい感情です。したがって、初めから飛びぬけて優れている人には、嫉妬しにくいといわれています。
【嫉妬してしまう理由、嫉妬深い人の特徴】
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劣等感やコンプレックスがある
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独占欲が強い
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プライドが高く、対抗心が強い
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他者とのギャップが認められない
嫉妬してしまう理由は、劣等感やコンプレックスを抱えている、独占欲が強いなどさまざまな要因が挙げられます。自分を認めて欲しいと願う気持ちが強いがゆえに生まれる感情でもあるため、プライドが高く対抗心が強い人が持ちやすいことも特徴のひとつです。
劣等感やコンプレックスがある
劣等感がある人は自分に自信がないため、ネガティブ思考やコンプレックスを抱えがちです。そして、いろいろなことに不安を感じ、ほかの人より劣っているという思い込みも激しくなる傾向に。結果、他者を羨む気持ちが強くなり、嫉妬心へとつながるようです。
独占欲が強い
独占欲とは、好きな人の心を常に自分だけへ向かせたい、感情すべてを独占したいという思いから発生する気持ちです。
独占欲が強いと、パートナーに近しい異性がいると分かるだけで嫉妬心が芽生え、排除しようと躍起になることも。嫉妬をするのは好きだから、特別な存在であり続けたいと願うことで生じる感情といえます。
プライドが高く、対抗心が強い
嫉妬しやすい人はプライドが高く、自分を認めて欲しいと願う承認欲求が強いため、見栄を張りやすい傾向にあります。
「自分はあの人よりも優れている」「評価されたい」という思いから、自分を良く見せようと周囲に対抗心を持つことも多いです。自分より恵まれている人を見るとプライドが傷つくため、自分の優勢を守ろうとする防衛反応として、嫉妬心を抱きやすくなります。
他者とのギャップが認められない
「自分では買えない高価なブランドバッグを友人が持っている」という状況を妬ましく感じる人は、他者とのギャップが認められず、嫉妬しやすい人といえます。たとえ、そのバッグが欲しいものではなくても、物の価値基準が他者との比較にあると「友人にあるものが私にはない」と思うようになり、羨ましい、妬ましいという気持ちが起こってしまうのです。
嫉妬心の特徴とは
嫉妬心は恋愛や友人関係、職場など、あらゆる場面で発生する感情です。
【嫉妬心を抱きやすい場面】
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恋愛
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友人関係
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職場
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学校
ここからは、シーン別に湧き起こる嫉妬心の特徴を解説します。やきもちを焼く女性心理が分からないという方は、一緒にチェックしていきましょう。
【恋愛編】嫉妬心の特徴
恋愛で起こる嫉妬心は、「相手の気持ちをすべて独占したい」と願う独占欲から発生します。
恋愛における嫉妬心の特徴
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独占欲が大きい
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愛情が自分に向いていないときに生じやすい
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自分がほかの相手に劣っていると感じる
恋愛における嫉妬は、パートナーや好きな人を独占したいあまりに生じる不安や怒り、悲しみなどの感情が含まれていることが多いです。嫉妬の対象は異性に向けられることが多いですが、相手の家族や仕事、動物や趣味など、多岐にわたるケースもあります。
また、恋愛における嫉妬心は、男女による違いもあります。男性が嫉妬したときは、言葉に出さず、怒りの形で嫉妬心が表に出ます。一方女性は、嫉妬によるイライラを言葉にして吐き出し、相手に気づいてもらおうとする人が多いようです。
さらに、浮気をされたときの男性はパートナーである彼女に怒りを向けますが、女性の場合は、浮気をした相手の女性に怒りを向ける傾向もあるようです。男女間で妬み方や、妬む相手に違いが出ることも恋愛における嫉妬心の特徴といえるでしょう。
【友人関係編】嫉妬心の特徴
学校や職場のように、他者と比較しやすい場面がない友人関係においても、嫉妬心を抱くことがあります。
友人関係における嫉妬心の特徴
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先に結婚した、良い生活をしているなど、自身との違いに目がつく
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自分より容姿が整っている人が気になる
友人関係における嫉妬心は、収入や生活内容が大きく関与していることが特徴です。「先に結婚した」「収入が高い旦那さんがいる」など、友人と自分の生活を比較することで嫉妬心が生じやすくなります。
そのほか、自分よりも容姿が優れていることも、友人関係で生じる嫉妬心の原因になります。綺麗な人は何もせずとも周囲からチヤホヤされがちなため、不公平感から嫉妬へとつながってしまうのです。
【職場編】嫉妬心の特徴
職場では、能力や上司から受ける対応などが嫉妬心に影響を与えています。
職場における嫉妬心の特徴
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働き方や能力に対するもの
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上司から受ける対応の違い
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努力していることを評価されない
自分は努力してノルマを達成しているのに、要領よく仕事をこなす同僚がいる、など能力差を感じる場面で嫉妬する傾向に。そのほか、自分にはない人脈を使って仕事をしているなど、働き方でも嫉妬心が起こりやすいようです。
さらに自分だけ仕事を押し付けられる、努力しているのに褒められないなど、上司から受ける対応でも妬む心は生まれてしまいます。このような不公平感や理不尽な扱いは憎しみにもなり、嫉妬する原因になるでしょう。
【学校編】嫉妬心の特徴
学んだり、友達と過ごしたりする場所である学校では、人間関係や学ぶことに関連した嫉妬が発生しやすいです。
学校における嫉妬心の特徴
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先生にひいきされている
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憧れの人といつも一緒にいる
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勉強が自分よりできる
ひょうきんな生徒や、容姿が整っている生徒などは、先生の目に付きやすいため、特別扱いをされているように感じることもあるでしょう。自分は勉強も頑張っており、生活態度も良く過ごしているのに、頑張らずともえこひいきをされている生徒がいれば、不公平感を感じ嫉妬心を抱く原因になってしまいます。
また、学校は成績などの優劣が分かりやすい場所であるがゆえに、テストの点数が良いだけで周囲からも一目を置かれる存在になりやすいです。「頭が良い=自分より優れている」という羨ましさから、嫉妬心が生じることも。
さらに、憧れの人といつも一緒にいるという状況を羨み、嫉妬になるケースも学校における嫉妬心の特徴になります。
嫉妬心をコントロールするコツ
嫉妬しない方法を知りたい方は多いかもしれませんが、発作的な感情である嫉妬心をなくすことはできません。しかし、嫉妬心をコントロールし、湧き起こる感情を弱めることは可能です。
【嫉妬心をコントロールするコツ】
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自分を褒める
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こだわりを弱くする
では、嫉妬心を弱める方法を具体的に説明していきましょう。
自分を褒める
自分に自信があれば、どんなに優れた人が現れても「人は人、自分は自分」と区別して考えられるようになります。他者もすごいけど、自分もすごい!と思えるよう、まずは自分自身を褒めて、自己肯定感を高めていきましょう。
こだわりを弱くする
嫉妬心は、こだわりが強いと湧き起こりやすい感情です。したがって、こだわりを弱くすることが嫉妬心をコントロールするコツになります。嫉妬していると感じたら、「どうでもいいや」「まぁいっか」などの言葉を実際に口に出して言ってみましょう。すると、少しずつですが本当にどうでもよくなってくるので、嫉妬心も弱まるはずです。
また、趣味など嫉妬していること以外にこだわりを持つと、嫉妬心を弱めることができます。仕事が上手くいってなくても、趣味を楽しんで人生を幸せそうに過ごしている人っていますよね。これは、こだわりが仕事ばかりに向いていないからこその結果。こだわりを分散させると、嫉妬していることへの執着も弱まります。嫉妬心をコントロールする方法として覚えておきましょう。
嫉妬深い性格を直す方法とは
次は、嫉妬深い性格を直す方法をご紹介していきます。
【嫉妬深い性格を直す具体的な方法】
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人と比較をしない
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SNSに触れる機会を減らす
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嫉妬している自分を自覚する
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自分にある魅力を再認識する
嫉妬深い性格を直すためには、人と比較しないこと、そして自分自身と向き合うことが大切です。
人と比較をしない
「隣の芝は青く見える」ということわざがあるように、自分と他者を比較すると、人の優れている部分ばかりに目がいってしまいます。人との比較をし続ければ、本来自分が持っている良さには気づけないまま、劣る点ばかりが際立ち、自分で自分を苦しめる結果に。人と比較しそうになったら「自分の生き方」や「自分がやりたいこと」を意識して、他者ではなく自分に焦点を戻してみましょう。
SNSに触れる機会を減らす
SNSは充実した日々を投稿している人が多いものです。「この人はこんなに素敵でキラキラとした日々を送っているのに、自分は…」と、自身と格差ある生活にモヤっとしたことがある方も多いのではないでしょうか。
自分と比較してしまう対象がSNSの投稿であれば、SNSに触れる機会を減らすのも、嫉妬深さから抜け出す方法のひとつです。とくに、ママ友のような身近な人の生活は気になるもの。その人のSNS上での生活が充実していればいるほど、自分との格差を実感せざるを得ません。どうしてもSNSが気になって仕方がない場合は、いっそのこと一旦SNS自体をやめてしまうのもおすすめです。
嫉妬している自分を自覚する
嫉妬心は発作的な感情のため「今、自分は嫉妬という発作が起きている」と認識することも、嫉妬深い性格を治す方法として有効です。
嫉妬心は羨ましさ、妬ましさから生まれる醜い感情のため、認めたくない方が多いかもしれませんが、それは逆効果です。自分自身に湧きおこる嫉妬心を抑えるためには、嫉妬心を認め、当たり前の感情だととらえて、妬みや怒りなどの感情をコントロールすることが重要になります。
ただし、嫉妬している自分を抑えたいあまりに、嫉妬する自分を責めることはやめましょう。自分を許せなくなると、嫉妬の沼からますます抜け出せなくなります。最終的には、「こんな私にしたのはあいつのせいだ…」と、怒りの矛先が相手へとシフトする結果にもなりかねいので注意しましょう。
自分にある魅力を再認識する
他者を見て嫉妬してしまったときは、今の自分を振り返ってみるのがおすすめです。自分の魅力や置かれている立場、環境など、今あるものを思い出してみましょう。思いのほか恵まれた環境で生活していることに気づけるはずです。
さらに「自分の良いところはなにか」を考えて、他者にはない魅力を再認識しましょう。すると、自然と感謝の気持ちが湧いて、人を羨む気持ちが薄れていきます。自身を客観的に見て「意外と悪くない自分」に気づくことが何よりも大切なのです。
嫉妬心に関するお悩みはオンラインカウンセリングもおすすめ
嫉妬心に関するお悩みは、手軽に利用できる「こころケア」のオンラインカウンセリングで相談をしてみませんか?
オンラインカウンセリングを受けるメリット
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場所を問わずカウンセリングを受けられる
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非対面なので本音で話すことができる
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手軽にプロのカウンセラーに相談できる
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自分では気づけなかった自分の魅力を再認識できる
オンラインカウンセリングは、聞いてほしいと思ったときにすぐ相談できる手軽さが魅力です。時間も場所も問わないので、わざわざ病院へ足を運ぶ必要もありません。自分の中で湧き出る嫉妬心を抑えられずに困っている方、嫉妬深い性格を直したいけど自分ではどうすればいいのか分からない方は、ぜひご活用ください。
まとめ
嫉妬は発作的に生じる感情のため、無くすことはできません。だからこそ、自分の中でコントロールする術を見つけることが、嫉妬心を減らす一番の解決策になります。自分だけではどうにもできない、誰かに相談したいという方は、オンラインカウンセリング「こころケア」を活用して、自身の魅力を再確認してみてはいかがでしょうか。
記事監修
公認心理師 櫻井 良平
国家資格
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- キャリアコンサルタント
- 社会福祉士
- 保育士
所属学会等
- 日本認知療法・認知行動療法学会
- 日本発達障害支援システム学会
(第17回研究セミナー・研究大会において学会賞受賞)
略 歴
- 医療機関や民間のセンター等での対面・電話・オンラインカウンセリング経験が豊富
- 認知行動療法にかかる厚生労働省・国立研究機関主催研修を修了
- 第一線の専門家に師事し、精神分析療法、解決志向短期療法、愛着理論、応用行動分析学等を研究
- 教育・心理・社会保障・保健医療分野における国内外の国際協力プロジェクトへの従事経験を持つ
(開発途上国における「育児・子育て手法」「発達アセスメント・支援ツール」「知能検査」の開発・普及プロジェクト等)