コラム

人間不信な人の特徴とは?きっかけや治し方について解説

対人関係

人間不信に陥ると人を信頼することができず、学校や職場などで孤立してしまうケースが少なくありません。重度になれば、社会生活に支障が出たり、精神疾患を抱えたりなど、重大な問題へと発展することもあります。

そこで今回は、人間不信になっている人の特徴や原因、治し方まで詳しく解説します。気軽にプロに相談できるオンラインカウンセリングの紹介もあるので、人間不信を克服したいと考えている方は、ぜひ一読ください。

人間不信とは

人間不信とは、他者を信じることができない心理状態を指します。友人から受けた理不尽ないじめや、信頼していた人からの裏切り、幼少期に受けた親からの虐待など、あらゆるトラウマが引き金になっていることが特徴です。

どんなに他者が好意的に接しても、他者の言動を深読みして不安になり、信頼することができません。重度の人間不信になると、自ら他者とのコミュニケーションを避けるようになり、社会生活に支障をきたしやすくなってしまいます。

人間不信になっている人の特徴

人間不信になっている人の特徴には、以下のようなものが挙げられます。

【人間不信になっている人の特徴】

  • 話しかけにくい雰囲気がある

  • 親しくなると急に離れる

  • 人を試すような行動をする

  • 疑い深く警戒心が強い

  • 人に対する不平や不満を言いがち

  • マウントを取りたがる

  • 何事においても心配性

  • 感情表現が乏しい

  • 恋愛に消極的

人間不信になっている人は、他者を近づけまいと、無意識のうちに話しかけにくい雰囲気を出す、親しくなると急に離れてしまう、警戒心が強いといった特徴があります。以降で詳しくご紹介していきます。

話しかけにくい雰囲気がある

人間不信の人は傷つくリスクを回避するために、他者と深く関わることを避けようとします。したがって、無意識に人を近寄らせないオーラを放っていることが多いです。人と話さないことで、さらにコミュニケーションを避けるようになり、人と距離を置いてしまう傾向にあります。

親しくなると急に離れる

仲良くなったと思ったら、急にそっけない行動を取ってしまうのも人間不信の人の特徴です。心の距離が近づくほど、裏切られたときのショックは大きいものです。過去に受けた体験から、裏切られる前に自分から離れてしまおうと、このような行動を取ってしまいます。

人を試すような行動をする

人間不信の人は、他者を信頼することに不安があるため、「こんな自分でも好きでいてくれるのか」と人を試すような行動を取りがちです。意図的に連絡を取らない、SNSに意味深な投稿をするなどをして、相手がどのような反応をするかで愛情を図る傾向にあります。

疑い深く警戒心が強い

褒められた経験が少ないため、良いことを言われても素直に受け止められず警戒してしまうのも人間不信の人の特徴です。「何か目的があって褒めているのか」「悪用されるかもしれない」など、他者の言動を疑うことが癖になっています。誰かを信じて、再び傷ついてしまうことを避けようとする防御反応の現れともいえるでしょう。

人に対する不平不満を言いがち

人間不信の人は基本的に人を信頼していないため、他者に対する不平や不満を言いがちです。相手が思いどおりの言動を取らないとすぐに文句を言い、「やっぱり信用できない人だ」と決めつけてしまいます。他者だけでなく、自分自身にも厳しく不満が多いため、自己肯定感が低いことも特徴です。

マウントを取りたがる

他者から否定されることを恐れるあまり、高圧的な言い回しや横柄な態度でマウントを取ろうとすることも、特徴として挙げられます。マウントを取ることで一時的には否定されない人間関係を築くことができますが、結局は嫌われてしまう結果に。気付いたときには周囲に人がいないという状況を自ら作ってしまうため、より人間不信へと陥ってしまいます。

何事においても心配性

疑い深く、警戒心が強いといった特徴を持つため、何事においても過剰に心配するという性質もあります。とくに、恋人や配偶者、子どもなど、簡単に離れたくないと思う相手ほど強く心配してしまいます。パートナーのSNSをチェックし、異性と連絡を取っているだけで拒否反応を示すなど、執着心がエスカレートしやすい傾向にあります。

感情表現が乏しい

人間不信の人は常に人を疑いながらコミュニケーションを取るため、素の自分を見せまいと、感情表現が乏しくなりやすいです。人と話す機会が少なくなると、感情の動き自体が鈍ってしまい、何を考えているのか掴めない人といった印象も与えてしまいます。無意識に感情を抑える癖がついた結果といえるでしょう。

恋愛に消極的

もう傷つきたくないという過去の経験から人間不信になり、恋愛に消極的になる人も多いです。相手から好意を寄せられたとしても「本当に自分を好きなのか?」と疑いの目で見るあまり、素直に気持ちを受け入れることができません。相手の気持ちを信用しきれないうえ、人の見る目にも不安を持っているため、結局1人でいることを選択してしまいがちです。

人間不信になるきっかけ・原因

では、人間不信になるきっかけや原因にはどのようなことが挙げられるのでしょうか。

【人間不信になるきっかけ・原因】

  • 信頼している人に裏切られた

  • いじめを受けていた

  • 大失恋をした

  • 大切な人を失った

  • 愛情不足で育った

人間不信になるきっかけは、信頼していた人に裏切られたという体験や、いじめ、失恋、幼少期の育った環境などが大きく関与しています。では、このような体験がなぜ人間不信に陥る原因になるのか、詳しく解説していきましょう。

信頼している人に裏切られた

信頼していた家族や友人、恋人に嘘をつかれた、隠しごとをされたといった経験は、裏切られたという衝撃が強く、心に深い傷を与えます。とくに、根が優しい性格の人、繊細な人は、相手の気持ちに敏感であるため、裏切り体験から人間不信に陥りやすいようです。

いじめを受けていた

何も悪いことをしていないのに突然理不尽ないじめを受けたという経験も、人間不信になるきっかけになります。人と接すること自体が怖くなり、いずれこの人も自分を攻撃するのではないかと警戒心が働くように。「どこか自分が悪いのかもしれない」と、自信を失うことも、人間不信を助長させる要因になっています。

大失恋をした

「もう二度と人を好きになりたくない」と思うほどの大失恋も、人間不信に陥りやすい要因のひとつです。心から愛し、信頼していた人との別れはショックが大きいもの。新しい恋のみならず、人と関わることすら避けるきっかけになってしまいます。ショックが大きいほどトラウマになりやすく、人間不信も重症化しやすい傾向です。

大切な人を失った

家族や友人など、大切な人を亡くす経験も、人間不信になるきっかけになります。永遠の命はないと頭では理解していても、大切な人への依存度が高いほど、喪失した事実から抜け出すことが難しいのです。再びこのような体験をしたくないと強く思う気持ちが、人と深く関わることを避けるという行動になり、人間不信へと陥ってしまいます。

愛情不足で育った

お腹が空いた、抱っこして欲しいなど、幼少期は無条件にわがままを受け入れてもらい、愛される経験を経て成長するものです。しかし、幼少期に愛される体験が少ないと、自己肯定感が養われず、大人になったときの人格に影響を与えてしまう可能性があります。自分を認められない人は他者も認めることができず、信じることができないため、人間不信になりやすいのです。

人間不信を克服する方法・治し方

ここからは人間不信を克服する方法について解説していきます。

【人間不信を克服する方法・治し方】

  • 過度に人に期待をしない

  • 自分の価値観に合う人を見つける

  • 環境を変えてみる

  • 自分に自信を持つ

  • 人を多面的に見る

  • 誰かに相談してみる

人間不信を克服するためには、周囲に信頼できる人を少しずつ増やしていくこと、自己肯定感を上げる努力をすることが大切になります。では、具体的にどのような方法が有効なのか、詳しく確認していきましょう。

過度に人に期待をしない

他者は自分の思いどおりにならないことを理解し、過度に期待をしないことが人間不信の克服につながります。人に期待をしないことで、相手が思い通りに動かないことへのショックが減り、心身への負担が軽くなることでしょう。人とは程よい距離を保ち、少しずつ関係性を築いていくことが大切です。

自分の価値観に合う人を見つける

すべての人と仲良くなることは難しいため、自分の価値観に合う人を見つけて信頼関係を築いてみましょう。共感できるポイントや、共通の体験をしている人ほど、心の距離は縮まりやすいです。信頼できる人を少しずつ増やしていくことが人間不信の克服になります。

環境を変えてみる

周囲の人の影響を受けて人間不信に陥っていた場合は、環境を変えてみるのがおすすめです。職場の人間関係が原因なら、部署移動や転職を検討しましょう。環境を変えれば人間関係も変わるため、とくに自分に問題がないケースで有効です。単純に今の環境が悪い可能性もあると考え、自発的に動くことを検討してみましょう。

自分に自信を持つ

他者を信じられない人は、自分を信じることができないため、ネガティブ思考になりやすいです。良いことも悪いこととして捉える癖がついているため、まずは自分を少しずつ肯定することからはじめましょう。「今日も自分は頑張った」と自分を褒めてあげると、自然とポジティブな感情になれます。自分に自信を持つという習慣を少しずつ身につければ、他者への考え方も変わってくるはずです。

人を多面的に見る

人を多面的に見るという方法も、人間不信の克服に役立ちます。「この人はいつも怒っている」と思っていた人も、別の角度から見れば違う一面を発見できるはずです。人を多面的に見ることで、他者を受け入れる範囲が広がり、人間不信の解消へとつながることでしょう。

誰かに相談してみる

今の状況をどうにかしたいけど、解決の糸口が見つからないというときは、思い切って誰かに相談してみましょう。友人や家族に話しづらいときは、カウンセラーに相談するのがおすすめです。つらい状況にある自分の気持ちを聞いてもらうだけで、心が軽くなることもあるので、誰かに頼るという方法も視野に入れてみてください。

人間不信の悩みはオンラインカウンセリングがおすすめ

人間不信の悩みは、心理的サポートが受けられる「こころケア」のオンラインカウンセリングがおすすめです。

オンラインカウンセリングのメリット

  • プロのカウンセラーに話を聞いてもらえる

  • 病院への受診が必要なく、場所を問わずカウンセリングが受けられる

  • 家族や友人に言えないことも話しやすい

  • 自分では気付かなかった解決の糸口を見つけてもらえる可能性がある

オンラインカウンセリングは時間や場所を問わず受けられることが一番の魅力です。「聞いてほしい!」と思ったときに、すぐ対応できるカウンセラーがいることも安心できる要素といえるでしょう。人と話すこと自体に不安がある方も、安心して利用できるサービスなので、ぜひ活用してみてください。

医療機関の受診も

重度の人間不信に陥ったときは、生活上の問題が発生したり、心身に不調をきたしたりすることがあります。うつ病やPTSD、統合失調症など、精神疾患を抱えているケースもあるため、医療機関を受診して診断を受け、治療を受けることも大切です。

まとめ

人間不信に陥っている人は、さまざまなトラウマを抱え、人との関わり方に悩んでいるケースが多いです。まずは、ご紹介した克服方法から試し、少しずつ自分を変えてみるところからはじめてみましょう。誰かに悩みを聞いてもらうだけで解決の糸口や、心が軽くなることもあります。手軽に利用できる「こころケア」のオンラインカウンセリングをぜひご活用ください。

 

記事監修

公認心理師 櫻井 良平

監修者写真兼カウンセラー写真

国家資格
  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • キャリアコンサルタント
  • 社会福祉士
  • 保育士
所属学会等
  • 日本認知療法・認知行動療法学会
  • 日本発達障害支援システム学会
    (第17回研究セミナー・研究大会において学会賞受賞)
略 歴
  • 医療機関や民間のセンター等での対面・電話・オンラインカウンセリング経験が豊富
  • 認知行動療法にかかる厚生労働省・国立研究機関主催研修を修了
  • 第一線の専門家に師事し、精神分析療法、解決志向短期療法、愛着理論、応用行動分析学等を研究
  • 教育・心理・社会保障・保健医療分野における国内外の国際協力プロジェクトへの従事経験を持つ
    (開発途上国における「育児・子育て手法」「発達アセスメント・支援ツール」「知能検査」の開発・普及プロジェクト等)