コラム

生きづらいと感じるのはなぜ?生きづらさを感じる人の特徴や原因、解説方法を解説

メンタルヘルス

ストレス社会といわれる日本において、生きづらいと感じる人は多く存在します。しかし、多くの人は解決方法が見出せず、今もなお、苦しんでいるかもしれません。そこで本記事では、生きづらいと感じる原因や対処方法を解説します。

生きづらさを感じて苦しんでいる人や自分の特性がわからず苦しむ人、心を軽くする方法を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

生きづらさを感じやすい人の特徴

生きづらいと感じやすい人には、いくつかの特徴がみられます。主に以下のことが挙げられますので、自分が該当するかどうか確かめてみてください。

  • 空気を読みすぎてしまう

  • 我慢強い

  • 完璧主義

  • ネガティブ思考

  • 人にどう思われているか気になってしまう

生きづらいと感じる人の多くは、人の評価を気にして、人の顔色ばかりを気にしてしまう傾向があります。また、我慢をして相手に迎合する癖があるため、疲弊しがちです。完璧主義が仇となり、精神的なストレスを抱えてしまうこともあります。

空気を読みすぎてしまう

空気を読みすぎ、人の顔色ばかりを気にしていると、神経がすり減って疲れてしまいます。たしかに、人に合わせて受け身になることで、楽になる部分はあるでしょう。しかしその一方で、自分の意見や不満が言えず、ストレスを溜め込む形になってしまうと、生きづらいと感じる原因になります。

我慢強い

自分の主張を抑えて、我慢強くその場をやり過ごすことで、相手と衝突するリスクを減らすことができます。一方、自分の感情まで押し殺すことにもつながり、生きづらいと感じる原因になるかもしれません。

我慢強く相手に迎合することが果たして自分の幸福につながるかどうか、1度よく考えてみる必要があるでしょう。

完璧主義

完璧主義な人は、物事を「0か100か」の2択で考える傾向があります。そのため、視野が狭くなることが多く、生きづらいと感じる原因になる場合があるでしょう。十分な成果を出しても、足りない点を探し、自己嫌悪することもあります。

また、他人に対して批判的になることがあるため、人間関係で軋轢が生じやすくなる場合もあります。

ネガティブ思考

ネガティブ思考の人は、相手が原因で不利益を被っても、自分に責任があると感じてしまいます。そのため、精神的に疲弊することが多いといえるでしょう。「なぜ他の人はできるのに自分はできないのか」と悩み、自己否定に進んでしまうかもしれません。

また、何かに新しく挑戦しようと思っても、ネガティブ思考が足かせとなり、なかなか行動できない傾向もみられます。

人にどう思われているか気になってしまう

人にどう思われているか気になってしまう人は、精神的に疲弊しがちです。なぜなら、常に他人の評価を気にして、頑張りすぎてしまう傾向があるからです。自分にとってのキャパシティーを超える仕事を請け負い、体調を崩してしまう可能性もあるでしょう。

生きづらいと感じてしまう原因

現代社会では生きづらいと感じる人が多く存在するため、そう感じてしまう自分を責める必要はありません。ただし、生きづらいと感じる原因のなかには、病気が起因している可能性もあります。この場合は、医療機関を受診し、治療に専念することも必要です。

生きづらいと感じてしまう原因には、主に以下のことが挙げられます。

  •  固定概念にとらわれている
  • 心身ともに疲れている

  • HSPの可能性

  • 発達障害の可能性

自分は「こうあるべき」という固定観念にとらわれることで、心身ともに疲弊し、生きづらいと感じる可能性があります。また、その人特有の特性として、HSPや発達障害に該当する場合、より生きづらさを感じるかもしれません。

固定概念にとらわれている

「自分は◯◯でいなくてはならない」と固定観念に縛られていると、生きづらさを感じてしまう原因になります。また、他人から「◯◯であるべき」と求められるケースもあるでしょう。自分や他人が勝手に作り上げた固定概念にとらわれすぎると、理想とのギャップに苦しみ、疲弊して生きづらいと感じてしまいます。

心身ともに疲れている

他人の顔色ばかりうかがったり、評価を気にしすぎたりすると、いつの間にか心身ともに疲れてしまうでしょう。心身が疲弊すると無気力になり、結果的に生きづらさを感じる原因になります。この場合、何も行動する気が起きなくなっているので、改善するためのステップも踏めず、この状況からいつまでも抜け出すことができません。

HSPの可能性

HSPとは、周囲の刺激に敏感で、繊細な気質を持つ人のことを指します。人が感じ取れる5感以外の雰囲気や感情を読み取り、必要以上に傷ついたり、相手に共感して一緒に苦しんでしまったりします。HSPの特性を持っていると、自分の感覚と周囲の環境のギャップに苦しみ、生きづらいと感じる原因になるでしょう。

関連記事:HSPとは?4つの特徴や診断方法・生きづらさを軽減するためのポイントを解説

発達障害の可能性

発達障害には、ADHD(注意欠陥多動性障害)と自閉スペクトラム症の2種類があります。それぞれの障害には発達レベルや認知機能に偏りがあるため、人間関係が構築しにくく、社会生活に支障が出る可能性があります。また、知的レベルが維持できていることもあるため、大人になるまで発達障害であることに気づかないケースもあり、うまく人と関われないのは自分自身が悪いのだと思い込んで生きづらさを感じる原因になります。

関連記事:ADHDとは?ADHD(注意欠陥・多動性障害/注意欠如・多動症)の特徴や診断基準・改善方法について解説

生きづらいと感じるときはどうしたらいい?気持ちを軽くする方法

生きづらいと感じるとき、気持ちを軽くする方法について解説します。主な解決方法は以下の通りです。

  • 他人と無理に合わせようとしない

  • 休息を取る

  • 自分の思考パターンを客観視する

  • 自分を受け入れて好きになる

  • 環境を変える

  • 身近な人に話を聞いてもらう

重要なのは、「自分は自分、他人は他人」と割り切り、自分らしく生きていくことです。ときには休息を取りながら、環境を変えてみたり、身近な人にアドバイスを求めたりすると、生きづらさが軽減するかもしれません。

生きづらさに気づいたときは、自分を客観視する機会にもなり得ます。自分自身を良い状態にできるよう、積極的に行動していきましょう。

他人と無理に合わせようとしない

他人に無理に合わせてしまうと、心身ともに疲弊し、生きづらいと感じるでしょう。

大切なのは、自分の心に従うことです。合わないと感じる人がいたら、無理にかかわる必要はありません。自分と価値観や考え方が合う人だけとかかわると、精神的なストレスが和らぎ、気持ちが軽くなるでしょう。

休息を取る

生きづらいと感じ、心が疲れたときは、遠慮なく休むようにしてください。つらいと感じる環境やストレスを感じる場面があれば、休息を取り、生きづらいと感じる要因から離れることが大切です。

「無理をしないこと」を第一に考え、気持ちを軽くするために適度な休息を心がけましょう。

自分の思考パターンを客観視する

自分を客観視して、思考パターンを理解することで、生きづらいと感じる場面を減らせる可能性があります。自分がつらいと感じる状況や、精神的なストレスを感じる瞬間を理解することで、そうならないための回避策を考えられるようになるからです。

まずは自己理解を進めて、生きづらさを感じる状況を作らないことが大切です。

自分を受け入れて好きになる

何かを行おうとするときに、自己否定から入るのではなく、自己肯定することから始める癖をつけましょう。そのためには自己評価の基準を下げ、些細なことでも自分を褒めるようにしてください。

少しずつで構いません。継続することでマイナス思考に陥ることがなくなり、生きづらいと感じる場面を減らせるでしょう。

関連記事:自己肯定感とは?低い人の特徴や高める方法をわかりやすく解説

環境を変える

生きづらいと感じる場合、思い切って環境を変えることも1つの方法です。職場や住む場所、人間関係などの環境を変えることで、生きづらいと思う感情を減らせることもあります。

環境を変えることは簡単にできることではないかもしれませんが、ここまで紹介した方法でもなかなか気持ちを軽くできないでいる人は、1度試してみるのがおすすめです。

身近な人に話を聞いてもらう

家族や友人、知り合いや恋人に話を聞いてもらうことで、気持ちが軽くなる場合があります。身近な人であれば、赤の他人より自分のことを理解してくれているはずなので、良いアドバイスがもらえることもあるでしょう。我慢せず、勇気を出して身近な人の力を借りるのも有効です。

カウンセラーに相談するのもおすすめ

「身近な人に相談したいけど、なかなか話しにくい」と感じている人は、カウンセラーに相談することをおすすめします。専門家であるカウンセラーに相談することで、自分では気づけない特性や性質を知るきっかけが掴めるかもしれません。

普段忙しくてカウンセリングを受けに行く時間がないという人には、オンラインカウンセリングという選択肢もあります。オンラインカウンセリングはインターネット接続ができる環境があり、プライバシーが守られ安心して話せる場所であれば、どこからでも利用可能です。主に以下のメリットがありますので、ぜひ検討してみてください。

  • スケジュールの調整がしやすい

  • 地方や海外在住でも利用しやすい

  • 自宅からリラックスした状態で臨める

また、どのカウンセリングを利用したらいいか迷っている人は、「こころケア」のオンラインカウンセリングを利用してみてはいかがでしょうか。

「こころケア」は、医療機関での臨床経験のあるカウンセラーが在籍していますので、一人ひとりに丁寧に寄り添った、専門家ならではの心理的サポートを受けられます。

まとめ

生きづらいと感じる人は多く存在しますが、その原因は人によってさまざまです。外的要因としては職場環境や人間関係の悪化によるものが考えられますが、一方で、その人自身の特性によって生きづらいと感じる人もいます。

生きづらいと感じる原因が何なのかを知るために、まずは自己理解を進める必要があります。家族や友人、知人や恋人などの身近な人に相談し、解決の糸口を探ってみてください。

家族や友人にはどうしても相談しにくいことがあれば、専門家の在籍するオンラインカウンセリングをぜひ1度、気軽に受けることをおすすめします。カウンセリングを通して自分の特性を知り、どんなことに生きづらさを感じ、どう生きていきたいのかを明確にしてみてください。

 

記事監修

公認心理師 櫻井 良平

監修者写真兼カウンセラー写真

国家資格
  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • キャリアコンサルタント
  • 社会福祉士
  • 保育士
所属学会等
  • 日本認知療法・認知行動療法学会
  • 日本発達障害支援システム学会
    (第17回研究セミナー・研究大会において学会賞受賞)
略 歴
  • 医療機関や民間のセンター等での対面・電話・オンラインカウンセリング経験が豊富
  • 認知行動療法にかかる厚生労働省・国立研究機関主催研修を修了
  • 第一線の専門家に師事し、精神分析療法、解決志向短期療法、愛着理論、応用行動分析学等を研究
  • 教育・心理・社会保障・保健医療分野における国内外の国際協力プロジェクトへの従事経験を持つ
    (開発途上国における「育児・子育て手法」「発達アセスメント・支援ツール」「知能検査」の開発・普及プロジェクト等)