コラム

気持ちが落ち込む、眠れないなど、「もしかしたらうつ病かも？」と心配になってはいませんか。

今回は、うつ病についての基本的な知識を提供するとともに、うつ病かもしれないと思ったときにできるセルフチェックシートや予防のためのセルフケアなどをご紹介いたします。うつ病について知りたいと思っている方はもちろんのこと、家族や友人がうつ病で苦しんでいると思われる方は、特にこの記事から多くの有益な情報を得られるはずです。

うつ病とは

うつ病とは、心と体にさまざまな症状を引き起こす病気で、特に気分が長期間下がった状態や、やる気が出ないという精神的な症状、そして体が疲れやすい、眠れないといった身体的な症状が出ます。これは一種の気分障害といわれています。

うつ病を一生に1回以上経験する人は、10～15人に1人の割合でいるといわれており、風邪と同じように誰にでも起こりうる病気の一つです。

うつ病には、主に以下の2つのタイプがあります。

• 極性うつ病：悲しみや落ち込みなどの気分が長く続く病気
• 双極性障害：悲しみや落ち込みの期間と、逆に極度に興奮したり活動的になったりする期間が交互に現れる病気

日常生活で、何か悲しいことがあったときに気分が落ち込むのは当然の感情です。また、時間が経てばだんだんとその気持ちは癒され、元の生活に戻るものです。

しかし、うつ病の場合は違います。明らかな理由が思い当たらないのに、なぜか気分が沈んでしまい、それが長期間続きます。そして、その症状が強いために学校や会社に行けないほど日常生活に影響を及ぼすのです。

このように、一時的な気分の落ち込みと、うつ病は明確に異なります。うつ病はただの「気分の落ち込み」ではなく、本格的な病気として認識することが大切です。

関連記事：双極性障害の原因と主な症状とは？正しい治療法と再発防止策を紹介！

うつ病の症状

うつ病になると、人はさまざまな症状に悩まされます。それぞれが組み合わさり、日々の生活に影響を与え、心身の健康を脅かします。これらの症状は、精神的なものと身体的なものに分類できます。

それぞれどんな症状が出るのか、細かく解説していきます。

【うつ病の症状】

• 精神的症状
• 身体的症状

精神的症状

うつ病の精神的な症状としては、以下のようなものがあります。

• いつも悲しくて、元気がない（気分の落ち込み）：

悲しみ、絶望感、希望が失せる感じが一日の大部分またはほとんど全体にわたる。

• 不安感：

特別な理由はないのに強い不安を常に感じる。

• 好きだったことや、楽しかったことがもう楽しくない（興味や喜びの喪失）：

日常的な活動や以前に楽しんでいた活動に対する興味や喜びがなくなる。

• 自分のことが嫌いで、自分は何もできないと思う（自己評価の低下）：

自己に対する評価が理由なく下がり、自己嫌悪を感じる。

• 何をするにも力がないし、何もかもが面倒くさい（無力感や絶望感）：

問題を解決したり、日常生活のストレスに対処したりする能力が低下すると感じる。

• 焦燥感やイライラ：

小さなことにもイライラしやすくなる。

• 自分の命を終わらせたいと思うことがある（希死念慮）：

自己害行為や自殺の考えが頻繁に頭をよぎる。

• 物事に集中するのが難しく、頭がもやもやする（焦りや集中力の低下）：

集中力が低下し、日常のタスクを完了するのが困難に感じる。物事の決断ができない。

• すごく疲れて体が重く感じる（疲労感やエネルギーの喪失）：

日常活動を行うのが困難なほどの疲労感やエネルギーの低下を感じる。

• 眠れない、または逆にずっと寝ている（睡眠の変化）：

睡眠が不足する、または逆に過度に眠る。

• 自分は大切な人間ではないと思う（無価値感、罪責感）：

人生の価値観が変わり、自分が重要な人間であるという認識が低下する。自分を責める気持ちが訳もなく強くなる。

身体的症状

うつ病で見られる身体的症状には、以下のようなものがあります。

• 耳鳴り
• めまい
• 頭痛・頭重
• 動悸
• 息切れ
• 胸痛・胸部不快感
• 食欲不振または過食
• 味覚障害
• 吐き気
• 胃部不快感
• 下痢・便秘
• 倦怠感（体がだるい）
• 口渇感
• 腰痛
• 肩こり
• 筋肉痛
• 関節痛
• 手足の痺れ・冷感
• 体重減少または増加

参考：日本女性心身医学会雑誌「日本在住一般成人の抑うつ症状と身体愁訴」

うつ病の要因

うつ病は、一見、人生のつらい出来事や困難な経験が引き金となって発症するように思えますが、その実態はもっと複雑です。うつ病は一つの要因だけで発症するわけではなく、生物学的、心理学的、社会的な要因が組み合わさった複数の要素が重なり合い、発症します。

うつ病を引き起こす可能性のある要素としては、以下のことが挙げられます。

• 環境要因
• 性格傾向
• その他の要因

これらの要素が重なり、脳内の神経細胞で情報伝達のトラブルが起きると、うつ病の症状が表れると考えられています。つまり、うつ病は心と体、そして生活環境全体と関連した問題なのです。以下では、それについて詳しく説明します。

環境要因

うつ病の原因の一つに、「環境要因」があります。環境要因とは、私たちの周りの状況や生活の出来事、人間関係などのことを指します。このような環境の変化やストレスが、心の健康に影響を及ぼし、うつ病を引き起こすことがあります。

具体的には、以下のようなことが環境要因となります。

• 身近な人・大切な人との死別や離別
• 大切なもの（仕事、財産、名誉、身体機能など）を失う
• 病気
• 人間関係のトラブル
• 家庭内での環境の変化、トラブル（引越しなど）
• 仕事・学業などの強い心理的負担（受験・昇進・転勤など）
• 経済的な問題（貧困・借金など）
• 妊娠・出産・産褥期・更年期
• 自然災害や事故

これらの環境的な要因は、うつ病を引き起こすきっかけとなります。例えば、大切な人との死別や離別は、深い悲しみや孤独感を引き起こし、心に大きな負担をかけることがあります。また、人間関係のトラブルや職場での役割の変化は、ストレスを感じやすく、それにより心のバランスを崩す可能性もあります。

人が抱える環境要因はそれぞれ異なりますし、同じ環境でも感じ方はさまざまです。しかし、このような環境要因が重なったり、一度に大きな変化があったりすると、心がついていけずにうつ病になることがあります。だからこそ、自分の心と体のサインを大切にし、必要なら専門家の助けを借りることが大切です。

性格傾向

うつ病の原因となるものにはさまざまな要素がありますが、その一つに「性格傾向」があります。具体的には、以下のような特徴を持つ人が、うつ病になりやすいといわれています。

【うつ病になりやすい人の特徴】

• 義務感が強い
• 仕事熱心
• 完璧主義
• 几帳面
• 凝り性
• 変化に対応するのが苦手
• 秩序を重んじる
• 自分のことよりも他人に気を遣う

これらの特徴を持つ性格のことを「メランコリー親和型性格」と呼ぶことがあります。この性格傾向がうつ病を引き起こす理由は、自己に対する厳しい要求やストレスによる心の負担が大きいからです。

例えば、義務感が強くて仕事熱心な人は、仕事に対するプレッシャーを感じやすく、それがストレスとなります。完璧主義や几帳面な人は、自分に対する期待が高いため、ミスを許せないと感じ、自己評価が低くなりがちです。凝り性の人や変化に対応するのが苦手な人は、新たな状況に対応するのにストレスを感じやすいです。

これらの性格傾向は、仕事や生活で高いパフォーマンスを発揮するためには有用な特性かもしれません。しかし、それがストレスとなって心のバランスを乱し、うつ病を引き起こす可能性があります。

だからといって、これらの特性を持つ全ての人がうつ病になるわけではありません。ですが、心と体のサインを見逃さず、必要ならば専門家の助けを借りることが重要です。自分自身を適度に休息させ、自己評価を上げるような思考の修正も助けになるでしょう。

参考：千葉県医師会「気分障害について｜その３ メランコリー親和型という古典」

参考：第129回日本医学会シンポジウム「2．うつ病の病前性格・心因・状況因」

その他の要因

環境要因や性格傾向も重要なうつ病の引き金ですが、他にもさまざまな要素がうつ病の発症に関与します。

まず、「遺伝的要因」が考えられます。親や兄弟姉妹がうつ病であった場合、そうでない血縁者を持つ場合と比べてうつ病になるリスクが高いという研究結果があります。これは、うつ病に関連する遺伝子が家族間で受け継がれる可能性があるためです。

また、「身体の病気」もうつ病のきっかけとなることがあります。特に、慢性的な病気、例えば心臓病や糖尿病などを持つ人は、その病気が原因でストレスを感じたり、自身の健康に対する不安感からうつ病を発症することがあります。また、甲状腺機能低下症やクッシング症候群などホルモンに異常をきたす持病、関節リウマチなどの自己免疫性疾患、そしてパーキンソン病や慢性硬膜下血腫などの脳神経系の病気によってうつ状態をきたすことがよくあります。

意外なところでは、認知症の症状としてのうつ状態が有名です。また、ステロイドをはじめとした各種薬剤も、うつ状態を引き起こすことがあります。

さらに、「内分泌の変化」も関与します。甲状腺機能低下症やクッシング症候群などによるうつ状態は、ホルモン量の変化が引き金となります。また、妊娠や出産は女性の体に大きな変化をもたらし、ホルモンバランスの変動がうつ病を引き起こすことがあります。これは産後うつと呼ばれ、新しい母親の約10〜20％が経験するといわれています。

これらの要因は、単独でうつ病を引き起こすだけでなく、環境要因や性格傾向と組み合わさることで、さらにうつ病のリスクを高めます。うつ病の発症は複雑で、多くの要素が絡み合っています。そのため、自分がどの要因に該当するかを理解し、適切な対策を取ることが重要です。

参考：北九州市 いのちとこころの情報サイト「こころの病気について1 ～うつ病の自覚症状～」

うつ病かもしれないと思ったらチェックしよう

日々の生活の中で、「なんだか気分が晴れない…」と感じることは誰にでもあります。しかし、そのような気分が長く続くとき、それはただの一時的な落ち込みではなく、うつ病の可能性があるかもしれません。そう感じたときは、自分の感情や体調の変化を真剣に受け止め、早めに医療機関に相談しましょう。

ここでは、「うつ病かもしれない」と思ったときにご自身でできるセルフチェックシートをご紹介するとともに、うつ病の診断基準についても解説を加えます。

うつ病かもしれない？セルフチェックチート

「普段の自分と何か違うな」と感じたとき、体調や心の変化に気付くための一つの方法が「セルフチェック」です。これは、自分の体や心が普段と違う状態にあることを、自分自身で見つけるための道具の一つです。

例えば、最近ずっと気分が晴れない、食欲がない、眠れない、集中力がないといった状態が続いている場合、これらはうつ病の兆候かもしれません。そんなとき、セルフチェックシートを使って自己チェックを行うと、自分が今どのような状態にあるのか、一つの目安として知ることができます。

もし、セルフチェックの結果、いくつかの項目が当てはまると感じたら、それはあなたがうつ病であるというサインかもしれません。その場合、早めに医療機関に相談することをおすすめします。うつ病は早めに対策をとることで、症状の進行を防ぐことができます。

ただし、重要なことは、セルフチェックはあくまで自分の状態を知る「目安」の一つであり、自己判断や自己診断のためのものではないということです。うつ病の診断は専門的な知識を持つ医師によるもので、セルフチェックの結果だけでうつ病と判断しないようにしましょう。心配なことがあれば、必ず医療機関にご相談ください。

 

自分が気づく変化	周囲が気づく変化
1 悲しい、憂うつな気分、沈んだ気分	1 以前と比べて表情が暗く、元気がない
2 何事にも興味がわかず、楽しくない	2 体調不良の訴え（身体の痛みや倦怠感）が多くなる
3 疲れやすく、元気がない（だるい）	3 仕事や家事の能率が低下、ミスが増える
4 気力、意欲、集中力の低下を自覚する（おっくう）	4 周囲との交流を避けるようになる
5 寝つきが悪くて、朝早く目がさめる	5 遅刻、早退、欠勤（欠席）が増加する
6 食欲がなくなる	6 趣味やスポーツ、外出をしなくなる
7 人に会いたくなくなる	7 飲酒量が増える
8 夕方より朝方の方が気分、体調が悪い
9 心配事が頭から離れず、考えが堂々めぐりする
10 失敗や悲しみ、失望から立ち直れない
11自分を責め、自分は価値がないと感じる

※参考元：厚生労働省地域におけるうつ対策検討会、2004「うつ対策推進方策マニュアル―都道府県・市町村職員の為に―」

うつ病の診断基準

うつ病の診断は、専門的な知識を持った医師が行います。その際に用いられるのが、「診断基準」というものです。診断基準とは、病気があるかないかを判断するための一連の基準のことです。

うつ病の診断基準としては、主にアメリカ精神医学会の「DSM-5」と、世界保健機関（WHO）が提唱する「ICD-10」の2つが用いられます。ここでは、アメリカ精神医学会のDSM-5の診断基準について詳しく見てみましょう。

DSM-5のうつ病の診断基準では、以下の9つの症状のうち、1または2を含む5つ以上の症状が2週間以上続いており、それに加えて、そうした症状のために本人が著しい苦痛を感じているか、または生活に著しい支障を来すようになっているか、どちらかの条件を満たしている場合であって、双極性障害やパーソナリティ障害など他の障害がない場合、初めて「うつ病（大うつ病性障害）」と診断されます。

1	ほとんど毎日、1日中ずっと気分が落ち込んでいる
2	ほとんど毎日、1日中ずっと何に対する興味もなく、喜びを感じない
3	食欲の減退または増加
4	睡眠障害(不眠 または睡眠過多)
5	精神運動の障害(強い焦燥 感・運動の制止)
6	疲れやすさ・気力の減退
7	強い罪責感
8	思考力や集中力の低下
9	死への思い

しかし、重要なことは、DSM-5は熟練した医師が診断するための基準であり、一般の人が自己判断に用いることはできないということです。自分の心の状態に不安を感じたら、まずは医療機関に相談しましょう。あなたの心の健康を支えるための第一歩となります。

参考：大野裕「産業保健と総合健診｜うつ病の新しい考え方」

うつ病の治療方法・治し方

うつ病は、誰にでも起こり得る病気です。たとえうつ病と診断されても、焦らず、適切な治療を行うことで回復へと進むことが可能です。治療方法については以下のような方法があります。

【うつ病の治療方法・治し方】

• しっかり休養する
• 病院やクリニックに相談する
• カウンセリング（認知行動療法）を受ける

ここでは、それらの治療方法について詳しく解説します。

しっかり休養する

うつ病になってしまったとき、まず大切になるのは「しっかりと休養する」ことです。うつ病は、心と体が過度なストレスや疲労からくる「休息不足」によって引き起こされることが多いです。しっかりと休むことで、心と体のバランスを回復し、自然治癒力を高めることができます。軽症のうつ病の場合は、これだけで症状がかなり改善することも少なくありません。

具体的には、まず仕事のペースを落とすことから始めましょう。それが難しい場合は、休暇を取るのも一つの手段です。また、重度のうつ病の場合には、専門の医療機関での入院治療も選択肢の一つです。休養中は、可能な限り大きな決断を後回しにし、心を安らげることに重きを置きましょう。

あなたの心と体の回復が、一番の優先事項です。

病院やクリニックに相談する

しっかりと休養を取ってもうつ病のような症状が続き、気分が落ち込んだまま改善しない場合は、病院できちんとした診断を受け、適切な治療を始めることが大切です。

医療機関で行う主な治療方法としては、薬物療法や心理療法などがあります。

薬物療法では、抗うつ薬などを使ってうつ病の症状を緩和します。抗うつ剤にはいくつかの種類がありますので、１剤だけの場合や、またいくつかの薬を組み合わせて使用することも多いです。

心理療法では、主に認知行動療法などを用いて思考のパターンを改善し、気分を安定させることを目指します。また、マインドフルネスや運動療法の有効性も知られてきています。

カウンセリング（認知行動療法）を受ける

カウンセリングや認知行動療法は、うつ病の治療に効果的であることがわかっています。認知行動療法とは、患者の否定的な思考パターンを探し出し、それらを現実的なものに置き換えることを目指す治療法です。

ただし、認知行動療法を専門とする医療機関は全国に多くありません。そのため、民間のカウンセリングなどを利用するのがおすすめです。外出するのもつらい、直接人と会うのに抵抗があるといった場合は、オンラインカウンセリングという選択肢もあります。オンラインカウンセリングなら、場所を選ばずに専門家からのカウンセリングを受けることが可能です。

カウンセリングをどこで受けるか迷っている人は、「こころケア」のオンラインカウンセリングはいかがでしょうか。「こころケア」には、医療機関での臨床経験のあるカウンセラーが在籍していますので、一人ひとりに丁寧に寄り添い、専門家ならではの心理的サポートを受けられます。

関連記事：認知行動療法とは？具体的なやり方や受ける前に知っておきたいことを解説

うつ病を予防するためにできるセルフケア

うつ病を予防するためには、自分自身でできるセルフケアが重要です。日常生活の中で心がけるべきこととして、以下のような項目が挙げられます。

【うつ病予防のためにできるセルフケア】

• 規則正しい生活
• マインドフルネス
• 過去を見つめ直す（内観療法）

それぞれについての詳しい方法は、以下で解説いたします。

規則正しい生活

うつ病の予防には、規則正しい生活が大切です。

規則正しい生活とは、例えば適度な睡眠時間を確保し、早寝早起きを心掛けることや、喫煙や飲酒を控えることを意味します。また、適度に運動を行うことも大切です。身体を動かすことでストレスホルモンを減らし、リラックス効果をもたらすホルモンを増やすことができます。ほかにも、バランスの良い食事をとることや十分な休息を確保することも大切です。

これらの生活習慣を整えることで、うつ病の予防に繋がります。

以下、規則正しい生活を送る上で気をつけたいことをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

• 睡眠時間をしっかり確保する
• 早寝早起きする
• 朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びる
• 朝食をきちんと食べる
• バランスの良い食生活を心がける
• 喫煙や飲酒を控える
• 定期的に運動する
• 就寝前のカフェイン摂取・喫煙を控える
• 寝る前のスマホは控えめにする

参考：厚生労働省「Selfcare こころの健康 気づきのヒント集」

マインドフルネス

うつ病の予防のためのセルフケアとして、マインドフルネスが注目されています。マインドフルネスとは、自分自身の感情や思考、身体の感覚、すなわち「今、この瞬間にここで起こっていること」に意識的に注目することで、心の安定やリラクゼーションをもたらす瞑想の一種です。

ストレスや悩みが多い現代社会では、マインドフルネスがうつ病の予防に有効とされており、治療薬と同じくらい有効であるという研究結果も公表されています。

マインドフルネスを行うには、まず静かな場所で座り、自分の呼吸を感じることから始めます。そして、その時々の感情や思考、身体の感覚に意識を向け、そのまま受け入れるようにします。これにより、自分自身と向き合い、感情のコントロールが可能となるのです。毎日数分から始めるだけでも、心に安定感をもたらす助けとなります。

参考：時事メディカル「マインドフルネスで心豊かに～うつ病の再発予防効果も（慶応大学保健管理センター　佐渡充洋教授）～」

過去を見つめ直す（内観療法）

内観療法は、過去の経験を静かに見つめ直し、自分自身の感情や行動の原因を理解することで、心の健康を保つ方法の一つです。私たちの心には過去の出来事が影響を与えているため、その過去を見つめ直すことでうつ病予防に役立つと考えられています。

内観療法は、特別な施設に1週間など長期間宿泊して集中的に行うこともありますが、日常生活の中でも自己省察の時間を設けることが可能です。具体的には、1日の終わりにその日の出来事を振り返り、自分の感じたことや反応したことを見つめ直します。それにより、自分の心の動きを理解し、ストレスや不安を軽減することができます。

参考：公益社団法人 日本精神神経学会「日本精神神経学会 精神療法委員会に「精神療法について」を訊く」

まとめ

この記事では、うつ病についての基本的な事項をまとめるとともに、うつ病の予防のためのセルフケアについても解説しました。自分がうつ病かもしれないと思ったら、一人で抱え込まず、まずは医療機関で医師の診察を受けることが大切です。

また、うつ病の治療を行ううえで、カウンセリングなどを利用することもおすすめです。特に、オンラインカウンセリングであれば、まだ自分がうつ病かどうかはっきりわからない、すでに医療機関に通っているけれど、他にも悩みを聞いてもらえる機会を増やしたいという人でも、利用することができます。

どのカウンセリングサービスを利用するか迷っている人は、「こころケア」のオンラインカウンセリングを検討してみてはいかがでしょうか。うつ病の治療の心強い味方として、ぜひ活用してみてください。